中村 光一(なかむら こういち)

チュンソフト代表取締役社長

作 品
学生時代に自作プログラムのパソコン用のゲーム「ドアドア」で、エニックスゲームコンテストに入賞。
その後に同じコンテストに出ていた堀井雄二とともに「ドラゴンクエスト」を制作する。(プログラムを担当)
「ドラゴンクエスト」は
「I」から「V」のプログラムを担当。

その後は、サウンドノベルシリーズの「弟切草」「かまいたちの夜」
不思議のダンジョンシリーズの「トルネコの大冒険」「風来のシレン」をリリース。

最新作は、サウンドノベルシリーズの「三年B組金八先生」。

解説
20年程前、個人がパソコンでプログラムを制作し、それを売り出して、印税で稼ぐ。
こんな事が出来た時代がありました。

今のゲームは規模が大きくなって一人の人間が作ったゲームが大ヒットなんてことは到底考えられません。
それがちょっと寂しくもあります。。。

この中村光一さんもその時代に、いくつかのパソコンゲームを開発して、会社を立ち上げた方の一人です。

「ドアドア」というゲームを制作して、エニックス(現スクウェア・エニックス)のゲームコンテストで入賞。
パソコンでもファミコンでも売り出されました。

このコンテストでは、当時週刊少年ジャンプの原作者だったドラクエの作者、堀井雄二氏も入賞しており、ここで知り合ったのがきっかけで「ドラゴンクエスト」のプログラムを担当することになります。

ドラゴンクエストのプログラムを担当した後は、サウンドノベルシリーズ「弟切草」「かまいたちの夜」、不思議のダンジョンシリーズを 、不思議のダンジョンシリーズ「トルネコの大冒険」「風来のシレン」を制作。

この人の作るゲームは、ビジュアルの美しさのたよらずに、ゲームのルールがとってもしっかりしていて何度でも楽しめる特徴があります。しかも新しい面白さをあわせもっています。

いわゆるゲームの面白さのツボを押さえたゲームを作られるんです!!

例を挙げると、、、
サウンドノベルシリーズでは、小説を読む面白さに、想像力をそこなわないように、ちょうどほどよいビジュアルと効果音を加えることによって、より臨場感のある物語を楽しむ面白さを実現しています。

不思議のダンジョンシリーズは、ダンジョン(モンスターのでるところだと考えてください)に入って宝探しをするのですが、その中で敵に倒されると、主人公の成長と持っていたアイテムがすべてチャラ、ダンジョンから抜け出ると主人公の成長がチャラになるというルールと、主人公は食事を取らないと、動けなくなり、そうなるとまたまた、持っていたアイテムをすべて取り上げられてダンジョンから追い出されるというルールがしかれています。

このルールは、 ダンジョンから引き上げるタイミングをいつにするのかという緊張を生みます。
しかも、そのダンジョンから引き上げるアイテムも最初からダンジョンに持ち込まない限りは、ダンジョンで現地調達となるので、、、

「目的地まであともう少しなのに、引き上げようかどうしようか…」
「食料が見つからない!!。引き上げるのにもアイテムがない。」
「強い武器を手に入れた!!、、、、けど、引き上げるアイテムがない、、、もう回復アイテムもないし。。」

なんて悩みはつきません。そのぎりぎりの緊張感がたまらなく面白い!

まあ、引き上げるのに躊躇していると、、、
「ぎゃあ、せっかくいいアイテムを持っていたのに敵にやられてしまった。」
となってしまって、せっかく集めたアイテムもおじゃんとなってしまいます。

しかも、ダンジョンに入るごとに、主人公の強さは最初のときと同じ強さに戻ります。
だから、主人公が強くなって簡単にダンジョンの奥に進めるようにはなっていかないんです。
ある程度ゲームが進むと、ダンジョンで手に入れたアイテムを数個選んで持っていけるようにはなるのですが、
それでも、主人公の強さは、最初のときと同じ強さで始まるのです。

これがどういうことかというと、ゲームがうまくなるのは、ゲーム中の主人公が強くなる(レベルアップ)やより役にたつアイテムの入手などによって、なされるのではなく、プレイヤーがうまく敵を倒したりやりすごしたりコツをつかんだり、効率的なダンジョンの探索方法を見つけるなど、ゲームプレイ上の経験をつんでなされるということです。

自転車を乗り始めたころは、なかなかうまく乗れなくても、だんだん、自分が成長してのれるようになっていく。
そんな自分がどんどん成長していく感覚が味わえるです!!

このように中村光一さんは、ゲームのルールをうまく設定することによって、そのルールでうまく楽しめるゲームを作るのが非常に得意とされています。
まさに、真っ向勝負のゲーム作りをされます。

ただ、「ルール作りがうまい」というと、そればかりに気をとられて、肝心のゲームのやりやすさ。
たとえば、ただ動かしているだけで気持ちいいというような原始的なゲームならではの楽しさがおそろかとなって、
なんだか、頭でっかちの苦しい、やりにくいゲームになっているかも、と心配されるかもしれません。

ところが、そうではないのです。

中村さんは、、、

「よくウィンドウや戦闘のテンポ感をほめていただけるのは、私がずっとアクションゲームを作ってきたからだと思っているんです。テンポにこだわりがあるんですね。気持ちがいいゲームは、ボタンを押しているだけで気持ちがいい。「ドラクエ」はRPGだけれども、非常にテンポを気にしてアクションゲームのように作っています。」
(ドラクエについて ファミリーコンピュータ 1983-1994より)


「あれも表示形式を決めるまでに、さまざまな試行錯誤があったんです。カラオケのように文字がどっと単位で出てくる方法を試したり、文字をスクロールさせたり、1文字ずつ表示する方法を試したり……、目を動かして、目で楽しみながら、文字を読めるようにするにはどうしたらいいか。いろいろな実験を経て、今のサウンドのベルの表示形式になったんです。ゲームは何十時間も遊ぶものなんで、基礎的な部分の研究をしっかりしておかないと、プレイする人にものすごくストレスを与えてしまう。私たちはとにかく快適に遊べるようにゲームを作っているんです。」

(サウンドノベルの形式について ファミリーコンピュータ 1983-1994より)

とこのように、普通のゲーム以上に気を使って、そのあたりは制作されています。

単純だけど、奥深く、ビジュアルでごまかさずに、ゲームのルールで遊ぶ人を楽しませる
「真っ向勝負」のゲーム。そんな中村光一さんのゲームの世界を味わってみてはいかがでしょうか?

■関連作品

不思議のダンジョン 風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参! for Windows ベストプライス版
オススメ度 ★★★★
チュンソフト
Windowsパソコン版
CPU:
Pentium III-600以上
対応OS: Windows98/WindowsMe/Win2000/WindowsXp
メモリ: 128 MB以上
HDD: 1 GB以上
メデイア: CD-ROM

紹介(「コンピュータウェーブ」データベースより)
巨大な輪の形をした山脈と、その輪の中に樹海がある、深い自然に囲まれた国を舞台にしたロールプレイングゲーム。かつて旅のおりに出会った友人・シレンとコッパに出会うため、風来修行の旅を続ける女剣士・アスカが訪れた国は、樹海の奥深くに砦を構える忍びの集団が、近隣の村人や旅人を襲い、その荷を奪うという事件が続発していた。事情を知ったアスカは、諸悪の根源を経つために旅立つことに・・・。プレイヤーは、全200以上用意されたアイテムを駆使し、モンスターを倒し、ワナをかわしながら、フロアの階段を見つけて、ダンジョンの奥深くへと進んでいく。また、ダンジョンに入るたびに地形やアイテム、モンスターの配置が変化するシステムを採用し、モンスター型のエレキロボが入っている「エレキ箱」や、ダンジョンで倒れても他のプレイヤーが助けてくれるオンライン特設ページを用意している。

ドラゴンクエスト・キャラクターズ トルネコの大冒険3 ~不思議のダンジョン~
オススメ度★★★
プレイステーション2版

スクウェア・エニックス
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1993年にスーパーファミコンで発売されて以来、ざん新なゲームシステムで好評を博した「トルネコ」シリーズ。PS版『ドラゴンクエストキャラクターズ トルネコの大冒険2 不思議のダンジョン』、GBA版『トルネコの大冒険2アドバンス 不思議のダンジョン(ドラゴンクエストキャラクターズ)』など、さまざまなプラットフォームで登場し、今回は、シリーズ初の「3D表現」をうたったPS2版『ドラゴンクエスト・キャラクターズ トルネコの大冒険3 ~不思議なダンジョン~』としてリリースされる。

舞台はとある南国の島。家族旅行を楽しんでいたトルネコ一家に災難が降りかかるところから物語は始まる。船旅の中、嵐に巻き込まれなんとか助かったトルネコたち。しかし、トルネコの最愛の息子、「ポポロ」は気絶したまま深い眠りに落ちそのまま覚めることがなかった… トルネコは息子ポポロを救うという目的のため冒険へと旅立つ。

今作は、シリーズ初となる、「地上マップ」を歩き回り、さまざまな「街」や「不思議のダンジョン」と出くわすシステムが採用されている。「ドラクエシリーズ」では、モンスターが出現していたのだが、このタイトルではダンジョンが出現するというわけだ。最大のポイントは、「不思議のダンジョン」で倒されても(クリアしても)、レベルが1に戻らないという点。このおかげでストイックなトルネコシリーズを苦手としていたユーザーも楽しむことができる。もちろん、「レベル1からダンジョン」も用意されているので、コアなユーザーも楽しむことができる。「ドラクエ」シリーズでおなじみの要素も満載なので、ドラクエファンにもおすすめ。(松井浩二)


ドラゴンクエスト・キャラクターズ トルネコの大冒険3 アドバンス ~不思議のダンジョン~
オススメ度★★★★
ゲームボーイ版
スクウェア・エニックス
Amazon.co.jp
2002年10月に発売されたPlayStation2用ソフト 『トルネコの大冒険3 ~不思議のダンジョン~』 のストーリーとゲームシステムを完全移植したタイトル。さらにゲームボーイアドバンス版の追加要素として、新たにエクストラモードが用意されている。

主人公は 『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』 に登場したトルネコで、世界一の商人となるために貴重なアイテムを求め、様々なダンジョンに挑戦していく。

「トルネコの大冒険」シリーズの特徴は、自動生成ダンジョンというシステムの採用にある。プレイヤーがダンジョンに入るたびに迷路の形が変化すると共に、出現するモンスター、隠されたアイテムの場所、数々の仕掛けも変わるので、新鮮な気持ちで何度でもプレイできるようになっている。

本作で追加されたエクストラモードは、四つのダンジョンを即プレイ可能というゲームモード。キャラクターはトルネコと息子のポポロのどちらでも自由に選べ、レベル1からの緊張感のある冒険が楽しめる。(Rei from Chiba)


弟切草 蘇生編
オススメ度 ★★★
プレイステーション版

チュンソフト
Amazon.co.jp
絵と音による演出をバックに物語を読み進める、サウンドノベルアドベンチャー。スーパーファミコンからの移植作だが、スーパーファミコンで発売されたときは初のビジュアルノベルということで話題を集めた作品。移植にあたってビジュアルやシナリオの追加だけでなく、ムービーや振動による演出も追加され、完全版ともいうべき内容になっている。

システムは選択肢を決定するだけのとても簡単なもので、お手軽にプレイできる。物語は、主人公とその彼女の奈美が偶然見つけた洋館の中で奇妙な体験をする、というもの。選択肢によって物語の展開が変わるだけでなく、ホラーやオカルト、果てはギャグと、ジャンルまでも変わっていく。たどった物語の数だけエンディングが用意されており、複数回のプレイを楽しむことができるお得な作品だ。(片井 美樹雄)


かまいたちの夜

PlayStation the Best サウンドノベルエヴォリューション2 かまいたちの夜
オススメ度★★★★
プレイステーション版
チュンソフト

Amazon.co.jp
絵と音による演出をバックに物語を読み進める、サウンドノベルアドベンチャー。スーパーファミコンからの移植作品だが、ビジュアルやシナリオに手が加えられており、むしろリメイクといえる作品。システムは選択肢を決定するだけのとても簡単なもので、お手軽にプレイできる。

物語は、スキーをしに雪山へやって来た主人公カップルが殺人事件に遭遇し、その事件を解決すべく行動するという、一見推理モノ。しかし、途中で出てくる選択肢によって物語は二転三転する。たどった物語ごとにエンディングが用意されており、何度もプレイして豊富なバリエーションの物語を楽しむことができる。物語のつじつまもムリがなく、文章の完成度も高い。演出で使われている音声やイラストの雰囲気も効果的に物語を盛り上げるいい演出になっている。(片井 美樹雄)

かまいたちの夜~アドバンス~

オススメ度★★★★
ゲームボーイアドバンス版
スクウェア・エニックス
Amazon.Co.Jp
スーパーファミコンで発売され、多くのユーザーを魅了したサウンドノベル「かまいたちの夜」がゲームボーイアドバンスでリメイクされて登場。サウンドノベルとは、臨場感あふれる音響と背景をバックに物語を読み進んでいくゲーム版の小説のようなもの。物語の途中で主人公の行動を選択できる分岐点があり、それによってその後の展開が変わっていくのが大きな特徴だ。

物語の舞台となるのは、雪によって隔離されてしまったペンション。宿泊客として訪れた透と真理の2人は、ここでつぎつぎに起こる謎の殺人事件に巻き込まれていくことになる。なお、本作ではスーパーファミコン版にはなかった新シナリオが追加され、内容もさらにパワーアップ。また、ストーリー分岐がひと目でわかる、便利なフローチャート機能も追加されている。もちろん、ゲームボーイアドバンス版だけに、家の中だけでなく街の中などでも気軽に楽しめるようになっている。(松崎 豊)


街~運命の交差点~
オススメ度★★★★
プレイステーション版
スクウェア・エニックス
Amazon.co.jp
『弟切草』 や 『かまいたちの夜』 といった、選択肢で変化するテキストを読み進めながら遊ぶサウンドノベルシリーズの廉価版。

物語の舞台は現代の渋谷、プレイヤーは8人の主人公を通じて激動の5日間を体験することになる。8人の主人公はそれぞれ、爆弾魔を追うゲーム好きな警察官、ノイローゼに悩まされる人気作家、謎の組織のもとで他人を脅迫し続ける青年など、個性豊かなメンバーばかり。コミカルからシリアスまで、主人公によってまったく違うテイストのシナリオを楽しむことができる。この8人はまったくの他人同士だが、プレイヤーの選んだ行動によって偶然ながら関わりあうことがある。たとえば、ある主人公が誰かを脅迫しているシーンに、別の主人公である警察官が訪れて…というように、まったく違うストーリーが絡み合い、交錯していく。システムとストーリー性の高さが評価され、名作として語り継がれている作品だ。

ちなみにオリジナルのセガ・サターン版はヒントが少なく、難易度が高かったが、このプレイステーション版ではヒントが増えて遊びやすくなっている。(染谷行人)


PlayStation 2 the Best かまいたちの夜2~監獄島のわらべ唄~
オススメ度★★★★
プレイステーション2版
スクウェア・エニックス

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SUPER FAMICOMとPlayStationで発売され、累計125万本もの大ヒットを記録したサウンドノベル 『かまいたちの夜』 の続編。サウンドノベルとは、実写をベースにした映像と文章でつづる物語を主体に構成された、ゲーム版の小説のようなもの。物語の途中で選択肢が出現し、それを選択することでその後の展開が変化していくのが大きな特徴だ。

今作の舞台は夏の海に浮かぶ孤島で、主人公は前作に引き続き、透と真里の2人。謎の人物から送られた孤島への招待状が事の発端となり、主人公たちは孤島という閉鎖された空間で、数々の謎の事件に巻き込まれていくことになる。前作に比べ、物語や分岐点などの全体的なボリュームがアップしているだけでなく、3Dのシルエットを使った人物表現など、演出面も各段にパワーアップしている。とくに実写とCGを融合させた映像表現は素晴らしいのひとことに尽きる。物語の随所にショートムービーが挟まれるようになったほか、従来では静止画でしかなかった背景までも動くようになるなど、その場面に流れる空気や臨場感が見事に表現されているのはまさに必見だ。

また、脚本はもとより、今作では演出や映像面も各界で活躍するクリエイターが担当している点に注目。切れ味鋭い文章とスタイリッシュな映像美が生み出す、独特の世界観をぜひ味わってほしい。(松崎 豊)


「ドラゴンクエストI・II」
残念ながらプレイステーションでは発売されていません。
スーパーファミコン版とゲームボーイ版を紹介します。
ゲームボーイ版はゲームボーイアドバンスで楽しめます。

スーパーファミコン版

標準価格10,800円
販売価格1,980円

Amazon.co.jp
日本中にRPGブームを巻き起こしたドラゴンクエストシリーズ。その原点であるシリーズの1作目とその続きであるシリーズ2作目がゲームボーイ用にリメイクされ、セットになった。スーパーファミコン版に続き、2回目のリメイクだけあって、随所に遊びやすい工夫が盛り込まれている。

たとえば、ゲームボーイで遊びやすいようにファミコン版にあった「復活の呪文」をなくし、いつでもどこでもセーブができるようになっていたり、ストレスを感じさせないよう戦闘のバランスが見直されている点だ。なお、この『ドラゴンクエストI・II』は 『ドラゴンクエストIII』 とあわせて「ロト」という言葉がキーワードになっている、いわば「ロトの伝説」の1作目と2作目になっている。(杉村 啓)

ゲームボーイ版

価格: ¥4,373 (税込)
新品/ユーズド価格 : ¥3,000 より


「ドラゴンクエストIII」

残念ながらこちらもプレイステーションでは発売されていません。
スーパーファミコン版とゲームボーイ版を紹介します。
ゲームボーイ版はゲームボーイアドバンスで楽しめます。

スーパーファミコン版
スクウェア・エニックス

標準価格9,135円
販売価格3,000円

シリーズ中もっとも売れた名作です。(520万本!!)
「一番の名作である」という声も高く、堀井氏自身も「一番きれいにまとまった」といっている作品です。

I・IIもやっていなくても楽しめますが、I・IIの世界のことを知っていると、
堀井氏の「まとまった」という言葉の意味がわかります。そういうことでおすすめです。

ゲームボーイ版
スクウェア・エニックス

価格: ¥5,712 (税込)
新品/ユーズド価格 : ¥2,980 より

宮本 茂(みやもと しげる)

任天堂専務取締役情報開発部長

作 品:
「ドンキーコング」・「スーパーマリオブラザーズ」
「ゼルダの伝説」等を多くのヒット作を手がける。
世界で一番尊敬されているゲームデザイナー。まさにゲーム産業を創ったクリエイター。
最近手がけた作品は「ピクミン」など。

解説:
この人がいなければ、今のTVゲームはなかったと言われる程のゲームデザイナーです。
それほどまでにTVゲームの歴史を塗り替え、いまなお最前線にたっている方です。

この方のデビュー作は「ドンキーコング」と呼ばれる作品。
誰でもいっかいはきいたことのある、任天堂の有名なキャラクターあのヒゲのはえた「マリオ」が誕生した作品です。

この作品が作られるきっかけは、、、、、

あるとき任天堂でつくったゲームセンター向けのゲーム(「業務用ゲーム」とよばれています。)でアメリカで売れ残ってしまいました。しかも数千個。

「さあ、どうしよう。。」となった時に、ハートウェアはそのままに、ソフトウェアを書き換えることによって別のゲームとして売りだそうとなりました。もう少し簡単に言うと、電子回路はそのままに、ゲームの内容だけを変えて、売り出すことになりました。

そこで、その入れ替えるゲームを作ることになったのが当時新人の宮本さんなんです。

出来上がったゲームは「ドンキーコング」。

どんなゲーム内容とかというと、
あるステージでは、ドンキーコングにさらわれた姫をたすけるため、鉄鋼の中を転がってくるタルをジャンプして飛び越したり、ハンマーで壊したりしたり、ドラム缶から出てくる炎をさけたりしながら、レディー所まで進んでいき、
あるステージでは、鉄骨をはずしていき、ドンキーコングを落としていき、レディーの救出に向かいます。
ファミコンミニで復刻されました。ぜひとも遊んでみて下さい!詳しくはこちら

マリオはどのようにして生まれたのか。

その前にテレビーゲームのグラフィックの仕組みについて説明する必要があるので、説明しますと。、
テレビゲームを始めコンピュータの画面は、小さな四角の点(ドット)の集合で構成されています。
例えば、あなたが見ているコンピュータの画面は、横800個×縦600個の点もしくは横1024×768の点の集合でできています。(あるいはもっと細かい点の集合かもしれません。)

ドンキーコングを作るときに、画面や、コンピュータの機能の制約上、キャラクターを16×16の四角の集合
で描く必要があったんです。

「だから、このドットだけで、人物が本当に描けるかと言うことが大きなテーマでした。まず、人の顔とわからせる為に、顔は大きい方がいい、鼻はでかい方がいい、必然的に身体は小さくなってくる。走っているときに腕を振ると、走っているように見える。ならばオーバーホールのような服を着せて、袖と胴の色を変えよう。そうしているうちに、人物像が見えてきて…ああ、これはイタリア系の人に似ているなあって。」

「鼻を一番わかりやすく見せるには、ひげをつけることなんでですね、ひげを描くと口をかかなくていいので、便利ですし、鼻が2ドット、ひげが1ドット。これなら8ドット以内に顔が収まる。残りのドットを体を描くのに使おう、と、あと、マリオがあまりにリアルな細身の体型だと、敵役のドンキーコングが投げるタルが当たったときにわかりにくい。だから、できるだけ16×16にいっぱいの絵を描く。つまりマリオをマッチョな体型に描いたんです。逆に、ドンキーコングの絵を描くときは、マリオの4倍以上のサイズで描くわけですから、色々な表情を楽しみながらのびのびと描きました。」
(宮本茂氏 「ファミリーコンピュータ 1983-1994」より抜粋)

同じ時期に出た作品に、「マリオブラザーズ」があげられます。
こちらは1画面の中で、画面上部の左右にある土管からででくる亀やらトカゲなんかを、歩いているところを床を下のフロアからジャンプしてたたき、ひっくり返した亀に近づいてけっ飛ばして敵をやっつけていくゲームです。1人プレイだけでなく2人でプレイすることもでき、この場合、マリオの兄弟分ルイージをあやつってプレイします。
このゲームは、うまく対戦へと導くように出来ています。

例えば、相手が亀をけっ飛ばそうと近づいたときに、ちょうど床を叩けば、亀は復活して歩き出すので相手のミスを誘うことも出来ます。それに加え、3~5ステージ毎にボーナスステージとして、散らばったコインを時間内に集めるステージがあるのですが、ここでも、コインの奪い合いが自然と発生して、自然と対戦するように導かれます。
まあ、はっきりいってコントローラーそっちのけの肉弾戦(笑)に発展することもあったりもします。
マリオブラザーズもファミコンミニで復刻されています。

そして、1985年「スーパーマリオブラザーズ」。
これは、ゲームの世界を一変してしまいました。
当時のゲームは、一画面の中でキャラクターを動かすものがほとんどでしたが、
このゲームは、それを一変、青空の下や、雲の上。地下世界、海の中などの広い空間のなかでキャラクターを動かす体験をプレイヤーにもたらしました。

宮本氏によると、
「大きめのキャラクターがぴょんぴょんと走り回るゲームを作りたかったんです。あと、当時のゲームは、一画面のものがほとんどでした。それから「ゲームは目が悪くなる」と言われていたのが、ほとんどの背景は黒。でも、僕はそこから抜け出してみたかった。そこで考えたのが、青空の下で大きなものが広い空間を駆けるゲームです。「スーパーマリオブラザーズ」には「青空」というテーマがありました。 (中略)当時のゲームは、ひとつの動きと、ひとつのルールだけで仕上げていた。(中略)でも、僕はどうしても、泳いだり、走ったり、ゲームにたくさんの広がりを与えたかった。 」
(宮本茂氏 「ファミリーコンピュータ 1983-1994」より抜粋)

このゲームは、国内で618万本、海外で3342万本のセールスを記録。
文字通りの「ファミコンブーム」をもたらしました。

子供は学校では裏技や攻略情報の交換。
学校が終わると、「特急下校」し、大人は徹夜。
誰もが寝食を忘れて遊び続けました。

ラジオ番組では特別版がつくられるは、歌詞を載せたサントラCDが作られるは、
社会現象を作り上げました。

ぼくもいまでに、ステージ構成が頭にはいってます。

このように面白いゲームを作る(しかも、今現在も!)
宮本茂氏のゲーム作りのポリシーとはどんなものでしょうか?

「ゲームを遊んでいない人が見ても、楽しめる。何をやっているのかよくわかる。とにかくわかりやすいルール作りをすることがアーケードゲームで学んだ作法です。なぜ、ゲームオーバーになったのか、なぜミスをしたのか、遊んでいる人がルールに納得してくれるように。とにかくルールをわかりやすくするという基本を、いまだに大事にしていますね。」

「僕の場合は…(ゲームを作るとき、考え始めるのは)手触りですね。操作感というか、画面の中でなにかが動いて、それを自分が操作したら、面白いじゃないかと、手触りをもとに連想していくんです。」

「ルービックキューブがライバルだと、僕はいつも言っているんです。商品として大ヒットし、しかも見た瞬間に遊び方がわかり、手で触ると反応がある。僕が求めているものの理想に近いです。」

「触れる映像」を目指して、ゲームを作り続ける宮本茂氏。
いまなおゲームの最前線にたっている氏は、これからどんな体験を、もたらしてくれるんでしょうか?
非常に楽しみです。

■関連作品

「ドンキーコング」(ファミコンミニ)
価格: ¥1,785 (税込)
オススメ度 ★★★
ゲームボーイアドバンス
任天堂

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任天堂の看板キャラクター"マリオ"の実質的デビュー作で、ドンキーコングにさらわれたレディを助けることが目的となる固定画面のステージクリアー型アクション。ファミリーコンピュータが誕生した当時のファミコンソフトをゲームボーイアドバンス用ソフトとして発売する、「ファミコンミニ」シリーズのナンバリング2ソフトだ。

ゲームは25m、75、100mと名づけられた3つのステージで構成され、100mをクリアーするとレディ救出成功となり、25mからまたスタートするという内容になっている(アーケードの50mにあたる面はファミコン版ではカットされた)。25mと75mまではドンキーコングが投げたり転がしたりしてくるタルや、そのほかの妨害をかわしつつ、レディのいる場所へと行けばクリアーとなり、100mでは特定ポイントを通過することで床のくいがはずれるためそれを全部はずし、ドンキーコングを落下させればクリアーとなる。

基本的には敵をジャンプでかわしていくのだが、途中にあるトンカチを取ると一定時間振り下ろしが自動的に行われ、それを敵に当てることで破壊することもできる。そうこうしながら、レディの救出へと向かう。

ちなみに、この作品はもともとアーケードゲームとして発売された作品で、ファミコン本体と同時発売タイトルとして抜擢されたソフト。のちにシリーズ作品がアーケードやファミコン、ゲームウォッチで展開されるなど、当時の任天堂を代表するソフトといえる。(田村 雅)


マリオブラザーズ(ファミコンミニ)
価格: ¥1,785 (税込)
オススメ度 ★★★★
ゲームボーイアドバンス
任天堂

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マリオが主人公となった初のタイトルであり、ルイージが初登場した作品でもあるアクションゲーム。1983年に発売されたアーケードからの移植作で、協力プレイと対戦プレイが同時に楽しめるという、対人プレイによるその両極性の楽しみを生み出したタイトルでもある。

ゲームの目的は、画面上部の土管から出現する敵キャラを床の下から突き上げて気絶させ、体当たりすることで倒すというもの。ステージごとの規定数を倒せばクリアーとなり、難易度の上がったつぎのステージへと進んでいくことになる。また、数面ごとにボーナスステージも用意されている。

敵キャラはシェルクリーパー、サイドステッパー、ファイターフライの3種類で、それぞれにスピードや動き方が異なるほか、スリップアイスとファイアーボールという妨害キャラもマリオたちの行く手を阻んでくる。

2人同時プレイがこの作品の醍醐味でもあり、協力プレイのはずが知らず知らずのうちに妨害・殺し合いになっているというゲームシステムが大きな特徴ともいえる。(田村 雅)



スーパーマリオブラザーズ(ファミコンミニ)
価格: ¥1,785 (税込)
オススメ度 ★★★★
ゲームボーイアドバンス
任天堂

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空前のファミコンブームを巻き起こした立役者的タイトルで、クッパにさらわれたピーチ姫を助けるため、マリオとルイージを操って各種ステージに挑んでいく、ステージクリアー型2D横スクロールアクション。当時のゲームのあらゆる概念を覆し、多くの可能性を示してくれた偉大な作品。ファミリーコンピュータが誕生した当時のファミコンソフトをゲームボーイアドバンス用タイトルとして発売する、「ファミコンミニ」シリーズのナンバリング1ソフトだ。

プレイヤーの行えるアクションは、大まか分けて基本移動とジャンプとダッシュの3つ。頭を踏む、もしくは下から突き上げるというアクションで敵を倒したり、ときにはただひたすら逃げたりしながらステージ最後にあるフラグを目指していく。ステージ中には、巨大化し敵に1回触れても死ななくなるキノコ、ファイヤー攻撃ができるようになるフラワー、一定時間無敵になれるスターといったパワーアップアイテムも用意されており、それらもうまく利用しステージを進めていく。

用意されているのは4つのステージに分けられたワールド8つで、基本的にゴールフラグにたどり着くというのがステージのクリアー方法となる。ただし、ステージ中にはワープ土管というものも用意されており、ステージをスキップして一気に違うワールドに行けたりもする。全ステージをクリアーしなくても、最終ステージをクリアーすれば、目的達成となる。(田村 雅)


ゼルダの伝説(ファミコンミニ)
価格: ¥1,785 (税込)
オススメ度 ★★★★
ゲームボーイアドバンス
任天堂

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任天堂の誇る「ゼルダの伝説」シリーズの初作で、ディスクシステムの発売にあわせて開発されたアクションRPG。謎解きのアドベンチャ ー要素も色濃く含まれた作品で、ファミリーコンピュータが誕生した当時のファミコンソフトをゲームボーイアドバンス用ソフトとして発売する、「ファミコンミニ」シリーズのナンバリング5となる。

プレイヤーは主人公のリンクとなってトライフォースという神秘の力を利用し、ハイラルという世界の征服を企てる魔王ガノンを退治、とらわれのゼルダ姫を救出するというのが目的となる。フィールド各所にダンジョンが設置されており、そこで新しいアイテムや武器を手に入れることで主人公の行動能力を上げていくとともに、最深地に潜むボスモンスターを倒すことでトライフォースのかけらを入手していく。

入手できるものは武器に使えるばかりでなく、フィールドやダンジョンのトラップを解除するために必要なものもあるのが特徴で、敵を倒すだけでなく、トラップを解除する、隠された謎を解くといった頭を使ったプレイを楽しめるのがシリーズを通しての特徴だ。(田村 雅)


「ピクミン」

価格: ¥6,069 (税込)
OFF: ¥1,071 (15%)
ゲームキューブ
任天堂

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宇宙船のトラブルで、とある惑星に不時着してしまう、主人公のキャプテン・オリマー。そこからの脱出が本作の大きな目的で、「ピクミン」と呼ばれる奇妙な生物を操りながら、宇宙船のパーツを探していくことになる。

主人公を親のように慕うピクミンは、赤、青、黄の3種類存在し、それぞれに独自の思考で行動する生物。1匹ずつでは非力ながら、最大で100匹まで引き連れることができる。物を運ばせたり、障害物を壊させたり、襲いかかってくる敵と戦わせながらゲームを進めていく。けなげに主人公の後をついてくるピクミンとの交流のなかに、信頼、愛情、達成感、連帯感といったさまざまな感情が、得られるようになっているところが大きなポイント。

ちなみに、ニンテンドーゲームキューブ4作目となる本作は、プロデューサーの宮本茂が非常に力をいれて制作した作品。アクションとシミュレーションの要素が含まれた、新感覚のゲームだ。(田村 雅)


「ピクミン2」
定価: ¥5,800 (税込)
価格: ¥4,930 (税込)
OFF: ¥870 (15%)

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植物と動物の特徴を兼ね備えた奇妙な生物ピクミンの力を借りて、アイテム探しをするAIアクションの続編。宇宙旅行中に遭難して、とある緑豊かな惑星に墜落した主人公オリマー。前作では、ピクミンの協力で惑星から脱出することができたが、今作では宝探しを目的に再びピクミンのいる惑星へ向かうことになる。

ピクミンはプレイヤーの従順なパートナーで、育成して数を増やせば一度に100匹まで引き連れることが可能。1匹では非力で敵に食べられてしまうこともあるが、数が増えれば巨大生物と戦ったり、大きなモノを運んだりもできる。

ゲームに登場するのは、熱に強く攻撃力が高い赤ピクミン、水に強い青ピクミン、電気に強い黄ピクミンで、本作では新たに白ピクミンと紫ピクミンの2つが追加された。白ピクミンは動きが素早く、紫ピクミンは大きくて力持ちという特徴を持ち、敵の種類に応じてピクミンを使い分けることになる。

前作では、惑星から脱出するまでの制限時間が30日となっていたが、ピクミン2では制限時間がなくなって、じっくりとピクミンの育成ができるようになった。ピクミンが活躍するフィールドは惑星の表面だけでなく、マップがランダムに生成される地下世界も用意されており、難易度の高い探索が楽しめる。(Rei from Chiba)

松野 泰己(ますの やすみ)

「伝説のオウガバトル」・「タクティクスオウガ」
「ファイナルファンタジータクティクス」・「ベイグランドストーリー」
「ファイナルファンタジータクティクス・アドバンス」・「ファイナルファンタジー12」

解説:
今度の「ファイナルファンタジー12(以下:FF12)」(もう12作目なんですねぇ)のディレクター・プロデューサーをされています。(病気療養のためプロデューサーを降板、原案/プロット/監修をご担当されることに。詳しくは文章の最後に)

プロフィールの所にも書いていますが、この人がFF12手がけると言うことで、期待半分、不安半分です。

作るものはすごくいいんですが、マニアックよりなので、ちょっと心配なんです。

あ、マニアックというのは、「絵がアニメ」であるとか、そういう意味ではなくて、
ストーリーが、

も「民族問題」「親友の離反」「不倫」と、そういう方面の「マニアック」です(笑)。
(そこらへんにあるゲームのストーリーとは違うということで)

たとえば、FF10を「トレンディドラマ」だと「ぶったぎって」考えると
(あくまで話を簡単にするために「トレンディドラマ」だとここでは言ってます。。)、、、、

この人の作るゲームは程度の差こそあれ、ちょっと重みのある映画のようなストリー。美しい映像のなかで繰り広げられる人間ドラマ。そんな趣があります。

でも、「いいゲームをしたな」。そんな感想を持ってもらえると思います。

何かの資料で読んでうろ覚えなんですが、(すいません、、、)

この方は学生時代は自主制作映画を作る活動をしていて、そのあと、大物経済ジャーナリストのもとで、経済記事を執筆(10年ぐらいかな、)、それから(株)クエスト※に入社。
(※いまはスクウェア・エニックスに吸収)

そして、
いきなり入社半年後ぐらいに、スーパーファミコンの参入第一弾のソフトの制作(ディレクション)を任されるというかなり変わった経歴の持ち主です。

いきなりソフトの制作を経験のない人にさせるっていうのも凄い話ですが。。

ところが出てきたものが凄かった。。。

「伝説のオウガバトル」



初参入のメーカなのに、口コミで面白さが広がり数十万本を売上。
ファンサイトも多数できるほど。

「オウガバトル」という名前にピーンと来たら、あなたは、このゲームを元々知っていたか、おそらく「Queen」のファンですね。

そう、このゲームは、Queenの「オウガバトル」という曲からインスピレーションを得て制作されたものなんです。

QueenII(クィーン)

(オウガバトルは6曲目です)

この曲から「オウガバトル」という世界を作り上げ、それをゲームにしたのが「伝説のオウガバトル」です

松野さんの作るゲームって、映画のようなしっかりとしたストーリーがありながらも、ゲームとしてのルール作りも手抜きが一切ない。いや下手なゲームよりも格段に面白い。

決められたルールの中で、いかに工夫して、楽しめる世界を構築するのか、
そのあたりは経済ジャーナリストとしての経験が生きているのではないかと。

ただ、歯ごたえがあるものばかり
なので、
根気のない人はやっていただきくないですね。

え、ただのゲームなのに根気がいるって?

はい、いるんです。

ただの「趣味」なのに、なんだ、そこまで、、、

といわれるかもしれませんが、
「趣味」だからこそ、本気で取り組めば、満足も大きいのではないでしょうか?

なかなか、この人のゲームは、手間がかかるものばかりなのです。

でも、それだけ手間がかかった分だけ、愛情もわきます。
このひとのゲームにはそれを乗り越えるだけの楽しさや満足がありますよ。

たとえば、自転車を乗れるようになるまで、苦労して練習しますよね。
でも、乗れると凄く楽しいですよね。そんな感じだといえばいいでしょうか?

それでも、すぐに投げ出してしまう人にはオススメできません。

でも、面白いですよ。 保証します。

次に制作したのが「タクティクス・オウガ」
前作「伝説のオウガバトル」と同じ世界での別の物語を描いたものです。

「タクティクス・オウガ」

ゲームとしては、「伝説の~」が大きなマップ上でチームを動かして戦うのにたいして、この作品では、立体マップで戦います。

ストーリは、前作「伝説のオウガバトル」の少し後の時代の別の場所を舞台に、「民族問題」「偽装虐殺」「姉のブラザーコンプレックス(姉が弟に依存している状態)」「親友の離反」「不倫」と重たくて暗い物語が展開されます。(笑)

作曲者いわく「前作の暗い曲と言われている部分にほとんどの曲が集中しているような状況です」

「お子様が遊ぶ家庭用ゲーム機(スーパーファミコン)でここまでやっていいのかよ。」と思ったりもしますが、そんな重たい話を見事に描ききっており、高い評価を得ています。

アマゾンでどんなレビューが書かれているか抜粋してみると、、、

「発売して10年が経ちますが、未だこれを超えるゲームはありません。そのくらいすさまじい完成度を誇っています。

「ファミ通の、読者投稿ランキングで、発売から8年経った現在でも、二十位以内にランクインしています。 SFC(スーファミ)のソフトで、二十位以内にランクインしているソフトは、もはやこれだけです」 (正確には10年前ね)

しかも、10年前のゲームなのに、これらのレビューが書かれたのが2004年だという。。。

そう、ここまで根強いファンがいるほど、ストーリー、グラフィック、世界観、音楽、どれも一級品なんです。これをやらなければ、ぜったい損をしていると言い切れます。

それでも疑うんだったら、アマゾンのレビューを見て下さい。
絶賛の嵐ですから。

本作でも、そうなのですが、松野さんの作品では、「優れた国王が戦乱で乱れた国を優れた人格でもってまとめあげ、平和な世の中を作り上げた。」とされているが、実はこうだった。(不倫していた。禁断の秘術を使った。虐殺していた。などなど)」というパターンが実に多いです。
まさしく、経済ジャーナリストの経験がそんなストーリーを生み出しているんでしょうか。

おそらく、今度の「ファイナルファンタジー12」も、ある世界の「歴史の裏」を描くようなストーリーになると思います。

そして、この「タクティクス・オウガ」を制作してから、松野さんは、スクウェアに移籍します。

移籍後第一作目がこれです。

「ファイナルファンタジータクティクス」

(プレイステーション)

タクティクスオウガとおなじようにマス目のなかでキャラクターを動かして戦うゲームです。
音楽は崎元 仁さん、キャラクターは、吉田明彦と「伝説のオウガバトル」「タクティクスオウガ」
でも活躍したスタッフが担当しています。

ストーリーや音楽、キャラクターデザイン、世界観、どれも文句のつけようがない程いいのですが、ただ残念なのが、ゲームバランス(敵の強さや、自分のキャラクターの強さなど、ゲームの面白さを左右するバランス)がちょっと、めちゃくちゃなところです。

キャラクターが転職しただけで、「ダメージ10倍」と、なっちゃいますからね。

そういう意味では「歯ごたえ」というものを求める人には物足りないかもしれません。
でも、その反面サクサクとすすめていけるので、初心者にはお勧めかもしれません。

松野さんの作品にふれるにはちょうといいかもしれません。

しかし、次に制作したのが「ベイグランドストーリー」という、「ちょっとこれ初心者にはきついんじゃないの?」といった作品。

「ベイグラントストーリー」

(プレイステーション)

重厚な世界観に、圧倒的なグラフィック、練り込まれたストーリー、やはり一級品なんですが、ゲームそのものが「難しい」。さすがに素人にはお勧めできません。

やりこめる方にはオススメします。名作なのは間違いありません。
でも、システムは難解でとっても難しいです、

僕も
途中で挫折しています。

でも、描かれている風景だけで「絵」になるほど、グラフィックのセンスはすばらしいです。
サンテミリオンという都市をモチーフにしてあるだけあって、中世ヨーロッパの農村部にある街のイメージがよく出ています。

さあ、次に紹介するのには、初心者でもオススメできます。

ファイナルファンタジータクティクス

(ゲームボーイアドバンス)

「イヴァリース」という世界を舞台に、主人公であるマーシュが世界の秘密を解き明かしながら、元の世界に戻る方法を捜していきます。
ゲームとしては、シミュレーションRPGなのですが
携帯ゲーム機なので、いつでも気軽に楽しめます。

やはりゲームアドバンスと言うことで、他の作品と違っていくぶん子供向けに作れられていて、
「タクティクス・オウガ」のように「虐殺」「不倫」「民族問題」といった重いストーリーは出てきません。(まだやっている途中なので、これから出てきたら、どうしよう。。。)

ゲームも、友達とアイテムを交換したり、クエストをやっていくうちに世界の秘密がわかってくるといった工夫があって面白いです。

難易度もそんなに難しくないので、初心者でもオススメです。

で、このゲームの描かれている世界「イヴァリース」は、「ファイナルファンタジー12(以下FF12)」の世界でもあり、このゲームをやっておくと、「FF12がより深く楽しめるそうです。

松野さんのゲーム作りの特徴として、あるひとつの世界を作り上げてから、それを色々な角度で切り取る形で、ゲームを作り上げていくと言ったものがあります。

「伝説のオウガバトル」「タクティクス・オウガ」のオウガバトルシリーズも「オウガバトル」という世界を作り上げて制作されたものでした。

そして「ファイナルファンタジータクティクス」と今度の「FF12」も「イヴァリース」という世界を元に制作されています。

「イヴァリース」には「ジャッジ」という存在がいて、そいつが世界に影響を及ぼしている。
現時点で、僕がわかっているのはこれぐらいです。。

今度のFF12がどんなものになるのか非常に楽しみです。

中途半端なものは作らないだろうなあと期待と、一部の人しかわからないものが出来上がらないだろうかと言った不安もありますが、すばらしい作品になると思っています。

(以下、5/25追加)

さて、松野作品にはある種の重みとうか”毒”ともいえるようなテーマがありますが、それはどこから来ているのでしょうか?ベイグラントストーリーアルティマニア(デジキューブ刊)よりのインタビューを引用してみます。

-過去の松野作品同様、やはり物語のバックには、重みのあるテーマもちらほらと見え隠れしていますよね。毎回そういうものを入れるっているのは、松野さん自身のこだわりなんですか?

そうですね…じつを言いますと、そのときそのときに僕が直面している、会社の中での人間関係みたいなものがゲーム中に出てきちゃっているんですよ。たとえば『FFT』のときの身分制度というのは、スクウェアっていう会社に入ったときに、やっぱり才能や資本を”持ってる”人たちに”持ってない”人間はどこまでがんばっても勝てないんじゃないかっていう疑問が出てきて、それを持ち込んじゃったんです。今回の『ベイグラント』の場合は、人から伝わってくる情報というのが伝達してくる人の立場しだいで、大きく変わるというか…みんな自分の都合の良いように解釈するものなんだっているのを経験したんで、それをテーマだけではなく手法としても取り入れてみた感じですね。

…なんだか、このインタビュー読んでみると、「松野さん大丈夫かなあ?」って思ってしまいますね。でも、妙にシナリオにリアルさを感じるのはこのあたりのスパイスが効いているんでしょうね。

ちなみに、
インタビューの自己紹介に自ら「出ない杭はたたかれない」「長いものには巻かれる」が今年(注2000年度)の抱負。なんて書いてあります。ベイグラントストーリーの国内セールスが厳しかったのでそんなことを書かれているんですが、FF12では下手にべたべたなシナリオより松野節の効いたものを期待しています。例え、いままでのFFファンが不満を持つシナリオでも、とんがったシナリオは損なわないで欲しいですね。誰がなんと言おうと僕個人としてはそれで十分ですね。

(ここから8月3日追記)
と、書いていましたが、なんと松野氏が病気療養のために現場から引くことに、、
(「プロデューサー」から「原案/プロット/監修」を担当されることに)

うーん、無理しすぎたのでしょうか。。

以下、松野氏のコメント
「ファイナルファンタジーXIIの発売を心待ちにしているファンのみなさん、開発に時間がかかってしまい本当に申し訳ざいません。残念ながら都合により現場から一歩退くことになりましたが、皆川・伊藤・秋山らの優秀なスタッフの手によって着実に完成へ向かって開発が進んでいます。今しばらくお待ちください。 」

FF12のクオリティに関しては、松野氏のコメント通り、スタッフの方々がほんっとに優秀で、また「ロマサガ」の
河津氏がエグゼクティブプロデューサーをつとめるようなので全く心配しておりません。
期待して指折り数えて発売日の2006年3月16日を待っております。

むしろ心配なのは松野氏の健康の方だったり、、、長期療養が必要ってどんな状態なんでしょう?
なんにせよ、一日も早いご回復を祈ります。。

お知らせ!
ついに松野さんが「原案/プロット/監修」を担当された「ファイナルファンタジー12」の発売日が
2006年3月16日に決定し、予約が開始されています。
ただいまAmazonで予約すると【iTunes Custom Card】がもれなくついてくるそうです。

【iTunes Custom Card】の内容は、、、
—-Amazonより抜粋——
【iTunes Custom Cardについて】
予約特典としてFINAL FANTASY XII ORIGINALFFXII/iTunes Custom Cardをご用意。

FFXII/iTunes Custom Cardは、メインコンポーザー崎元仁セレクションによるFFXIIの楽曲を、
お手持ちのパソコンからiTunes Music Storeを利用し5曲無料でダウンロード頂けるカードです。

カードとしてもコレクション要素の高い本特典をお見逃しなく。

※予約特典は数に限りがあります。
※予約特典は商品発送時に添付されます。
※ダウンロードにかかる通信料はお客様のご負担となります。
———————-

これは松野ファンなら見逃せませんね。
崎元さんセレクトの曲がダウンロードできるのもおいしいですし、
カードはおそらく、推測ですが吉田明彦さんデザインのキャラクターかと思われます。(あくまで推測ですが)
数に限りがあるようなので、どうしても欲しい方はお早めに予約をオススメします。

→「ファイナルファンタジーXII 特典 FFXII/iTunes Custom Card付き」(Amazon)

【関連商品】
→FINAL FANTASY XIIポーションプレミアムボックス12本セット(楽天)
あの「ポーション」です。サントリーが飲料として発売 
・レアカードは書下ろし。プレミアムボックス以外では手に入らない非常にコレクション性の高いカード
・カードはダブっていない

→FF12のメモリーカードが発売(Amazon)
6人のキャラクターインデックスシール付

→Cordless Compact Controller ファイナルファンタジーXII Version(Amazon)
ワイヤレスコントローラがロジクールから

■関連作品

「伝説のオウガバトル」

スーパーファミコン版
クエスト

販売価格 480円ぐらい

スーパーファミコンを持っている人はひっぱりだしてやってみるといいかもしれませんね。

伝説のオウガバトルPlayStation the Best 伝説のオウガバトル(プレイステーション版)
価格: ¥2,499 (税込)
これはPS版。ぜひとも遊んでほしいです。買う価値あり。


「タクティクス・オウガ」

スーパーファミコン版 クエスト

標準価格 11,970円
販売価格 980円

これはもう、ずいぶん昔の作品ですが、今遊んでも絶対に面白いはずなので、あなたにぜひともやってほしいです

伝説のオウガバトルArtdink Best Choice タクティクス・オウガ(プレイステーション版)
これ以上のゲームは2度と出ないといっていいぐらいの傑作。ぜひともプレイしてもらいたいです。
すでに新品は売られてなく、みな中古です。しかもプレミアがついてますね。
それほど人気があるということです。


「ファイナルファンタジータクティクス」
(プレイステーション)

スクウェア・エニックス

価格: ¥2,499 (税込)


「ベイグラントストーリー」
(プレイステーション)

スクウェア・エニックス

価格: ¥2,499 (税込)


「ファイナルファンタジータクティクスアドバンス」
(ゲームボーイアドバンス)

スクウェア・エニックス

定価: ¥6,090 (税込)
価格: ¥5,176 (税込)


番外
「QueenII」
(CD)
東芝EMI

定価: ¥2,548 (税込)
価格: ¥2,293 (税込)

「オウガバトル」シリーズのインスピレーションとなった曲「オウガバトル」が収録されています。