「伝説のオウガバトル」・「タクティクスオウガ」
「ファイナルファンタジータクティクス」・「ベイグランドストーリー」
「ファイナルファンタジータクティクス・アドバンス」・「ファイナルファンタジー12」
解説:
今度の「ファイナルファンタジー12(以下:FF12)」(もう12作目なんですねぇ)のディレクター・プロデューサーをされています。(病気療養のためプロデューサーを降板、原案/プロット/監修をご担当されることに。詳しくは文章の最後に)
プロフィールの所にも書いていますが、この人がFF12手がけると言うことで、期待半分、不安半分です。
作るものはすごくいいんですが、マニアックよりなので、ちょっと心配なんです。
あ、マニアックというのは、「絵がアニメ」であるとか、そういう意味ではなくて、
ストーリーが、
も「民族問題」「親友の離反」「不倫」と、そういう方面の「マニアック」です(笑)。
(そこらへんにあるゲームのストーリーとは違うということで)
たとえば、FF10を「トレンディドラマ」だと「ぶったぎって」考えると
(あくまで話を簡単にするために「トレンディドラマ」だとここでは言ってます。。)、、、、
この人の作るゲームは程度の差こそあれ、ちょっと重みのある映画のようなストリー。美しい映像のなかで繰り広げられる人間ドラマ。そんな趣があります。
でも、「いいゲームをしたな」。そんな感想を持ってもらえると思います。
何かの資料で読んでうろ覚えなんですが、(すいません、、、)
この方は学生時代は自主制作映画を作る活動をしていて、そのあと、大物経済ジャーナリストのもとで、経済記事を執筆(10年ぐらいかな、)、それから(株)クエスト※に入社。
(※いまはスクウェア・エニックスに吸収)
そして、
いきなり入社半年後ぐらいに、スーパーファミコンの参入第一弾のソフトの制作(ディレクション)を任されるというかなり変わった経歴の持ち主です。
いきなりソフトの制作を経験のない人にさせるっていうのも凄い話ですが。。
ところが出てきたものが凄かった。。。
「伝説のオウガバトル」
初参入のメーカなのに、口コミで面白さが広がり数十万本を売上。
ファンサイトも多数できるほど。
「オウガバトル」という名前にピーンと来たら、あなたは、このゲームを元々知っていたか、おそらく「Queen」のファンですね。
そう、このゲームは、Queenの「オウガバトル」という曲からインスピレーションを得て制作されたものなんです。
QueenII(クィーン)
(オウガバトルは6曲目です)
この曲から「オウガバトル」という世界を作り上げ、それをゲームにしたのが「伝説のオウガバトル」です
松野さんの作るゲームって、映画のようなしっかりとしたストーリーがありながらも、ゲームとしてのルール作りも手抜きが一切ない。いや下手なゲームよりも格段に面白い。
決められたルールの中で、いかに工夫して、楽しめる世界を構築するのか、
そのあたりは経済ジャーナリストとしての経験が生きているのではないかと。
ただ、歯ごたえがあるものばかり
なので、
根気のない人はやっていただきくないですね。
え、ただのゲームなのに根気がいるって?
はい、いるんです。
ただの「趣味」なのに、なんだ、そこまで、、、
といわれるかもしれませんが、
「趣味」だからこそ、本気で取り組めば、満足も大きいのではないでしょうか?
なかなか、この人のゲームは、手間がかかるものばかりなのです。
でも、それだけ手間がかかった分だけ、愛情もわきます。
このひとのゲームにはそれを乗り越えるだけの楽しさや満足がありますよ。
たとえば、自転車を乗れるようになるまで、苦労して練習しますよね。
でも、乗れると凄く楽しいですよね。そんな感じだといえばいいでしょうか?
それでも、すぐに投げ出してしまう人にはオススメできません。
でも、面白いですよ。 保証します。
次に制作したのが「タクティクス・オウガ」
前作「伝説のオウガバトル」と同じ世界での別の物語を描いたものです。
ゲームとしては、「伝説の~」が大きなマップ上でチームを動かして戦うのにたいして、この作品では、立体マップで戦います。
ストーリは、前作「伝説のオウガバトル」の少し後の時代の別の場所を舞台に、「民族問題」「偽装虐殺」「姉のブラザーコンプレックス(姉が弟に依存している状態)」「親友の離反」「不倫」と重たくて暗い物語が展開されます。(笑)
作曲者いわく「前作の暗い曲と言われている部分にほとんどの曲が集中しているような状況です」
「お子様が遊ぶ家庭用ゲーム機(スーパーファミコン)でここまでやっていいのかよ。」と思ったりもしますが、そんな重たい話を見事に描ききっており、高い評価を得ています。
アマゾンでどんなレビューが書かれているか抜粋してみると、、、
「発売して10年が経ちますが、未だこれを超えるゲームはありません。そのくらいすさまじい完成度を誇っています。
」
「ファミ通の、読者投稿ランキングで、発売から8年経った現在でも、二十位以内にランクインしています。 SFC(スーファミ)のソフトで、二十位以内にランクインしているソフトは、もはやこれだけです」 (正確には10年前ね)
しかも、10年前のゲームなのに、これらのレビューが書かれたのが2004年だという。。。
そう、ここまで根強いファンがいるほど、ストーリー、グラフィック、世界観、音楽、どれも一級品なんです。これをやらなければ、ぜったい損をしていると言い切れます。
それでも疑うんだったら、アマゾンのレビューを見て下さい。
絶賛の嵐ですから。
本作でも、そうなのですが、松野さんの作品では、「優れた国王が戦乱で乱れた国を優れた人格でもってまとめあげ、平和な世の中を作り上げた。」とされているが、実はこうだった。(不倫していた。禁断の秘術を使った。虐殺していた。などなど)」というパターンが実に多いです。
まさしく、経済ジャーナリストの経験がそんなストーリーを生み出しているんでしょうか。
おそらく、今度の「ファイナルファンタジー12」も、ある世界の「歴史の裏」を描くようなストーリーになると思います。
そして、この「タクティクス・オウガ」を制作してから、松野さんは、スクウェアに移籍します。
移籍後第一作目がこれです。
「ファイナルファンタジータクティクス」
(プレイステーション)
タクティクスオウガとおなじようにマス目のなかでキャラクターを動かして戦うゲームです。
音楽は崎元 仁さん、キャラクターは、吉田明彦と「伝説のオウガバトル」「タクティクスオウガ」
でも活躍したスタッフが担当しています。
ストーリーや音楽、キャラクターデザイン、世界観、どれも文句のつけようがない程いいのですが、ただ残念なのが、ゲームバランス(敵の強さや、自分のキャラクターの強さなど、ゲームの面白さを左右するバランス)がちょっと、めちゃくちゃなところです。
キャラクターが転職しただけで、「ダメージ10倍」と、なっちゃいますからね。
そういう意味では「歯ごたえ」というものを求める人には物足りないかもしれません。
でも、その反面サクサクとすすめていけるので、初心者にはお勧めかもしれません。
松野さんの作品にふれるにはちょうといいかもしれません。
しかし、次に制作したのが「ベイグランドストーリー」という、「ちょっとこれ初心者にはきついんじゃないの?」といった作品。
「ベイグラントストーリー」
(プレイステーション)
重厚な世界観に、圧倒的なグラフィック、練り込まれたストーリー、やはり一級品なんですが、ゲームそのものが「難しい」。さすがに素人にはお勧めできません。
やりこめる方にはオススメします。名作なのは間違いありません。
でも、システムは難解でとっても難しいです、
僕も
途中で挫折しています。
でも、描かれている風景だけで「絵」になるほど、グラフィックのセンスはすばらしいです。
サンテミリオンという都市をモチーフにしてあるだけあって、中世ヨーロッパの農村部にある街のイメージがよく出ています。
さあ、次に紹介するのには、初心者でもオススメできます。
ファイナルファンタジータクティクス
(ゲームボーイアドバンス)
「イヴァリース」という世界を舞台に、主人公であるマーシュが世界の秘密を解き明かしながら、元の世界に戻る方法を捜していきます。
ゲームとしては、シミュレーションRPGなのですが
携帯ゲーム機なので、いつでも気軽に楽しめます。
やはりゲームアドバンスと言うことで、他の作品と違っていくぶん子供向けに作れられていて、
「タクティクス・オウガ」のように「虐殺」「不倫」「民族問題」といった重いストーリーは出てきません。(まだやっている途中なので、これから出てきたら、どうしよう。。。)
ゲームも、友達とアイテムを交換したり、クエストをやっていくうちに世界の秘密がわかってくるといった工夫があって面白いです。
難易度もそんなに難しくないので、初心者でもオススメです。
で、このゲームの描かれている世界「イヴァリース」は、「ファイナルファンタジー12(以下FF12)」の世界でもあり、このゲームをやっておくと、「FF12がより深く楽しめるそうです。
松野さんのゲーム作りの特徴として、あるひとつの世界を作り上げてから、それを色々な角度で切り取る形で、ゲームを作り上げていくと言ったものがあります。
「伝説のオウガバトル」「タクティクス・オウガ」のオウガバトルシリーズも「オウガバトル」という世界を作り上げて制作されたものでした。
そして「ファイナルファンタジータクティクス」と今度の「FF12」も「イヴァリース」という世界を元に制作されています。
「イヴァリース」には「ジャッジ」という存在がいて、そいつが世界に影響を及ぼしている。
現時点で、僕がわかっているのはこれぐらいです。。
今度のFF12がどんなものになるのか非常に楽しみです。
中途半端なものは作らないだろうなあと期待と、一部の人しかわからないものが出来上がらないだろうかと言った不安もありますが、すばらしい作品になると思っています。
さて、松野作品にはある種の重みとうか”毒”ともいえるようなテーマがありますが、それはどこから来ているのでしょうか?ベイグラントストーリーアルティマニア(デジキューブ刊)よりのインタビューを引用してみます。
-過去の松野作品同様、やはり物語のバックには、重みのあるテーマもちらほらと見え隠れしていますよね。毎回そういうものを入れるっているのは、松野さん自身のこだわりなんですか?
そうですね…じつを言いますと、そのときそのときに僕が直面している、会社の中での人間関係みたいなものがゲーム中に出てきちゃっているんですよ。たとえば『FFT』のときの身分制度というのは、スクウェアっていう会社に入ったときに、やっぱり才能や資本を”持ってる”人たちに”持ってない”人間はどこまでがんばっても勝てないんじゃないかっていう疑問が出てきて、それを持ち込んじゃったんです。今回の『ベイグラント』の場合は、人から伝わってくる情報というのが伝達してくる人の立場しだいで、大きく変わるというか…みんな自分の都合の良いように解釈するものなんだっているのを経験したんで、それをテーマだけではなく手法としても取り入れてみた感じですね。
…なんだか、このインタビュー読んでみると、「松野さん大丈夫かなあ?」って思ってしまいますね。でも、妙にシナリオにリアルさを感じるのはこのあたりのスパイスが効いているんでしょうね。
ちなみに、
インタビューの自己紹介に自ら「出ない杭はたたかれない」「長いものには巻かれる」が今年(注2000年度)の抱負。なんて書いてあります。ベイグラントストーリーの国内セールスが厳しかったのでそんなことを書かれているんですが、FF12では下手にべたべたなシナリオより松野節の効いたものを期待しています。例え、いままでのFFファンが不満を持つシナリオでも、とんがったシナリオは損なわないで欲しいですね。誰がなんと言おうと僕個人としてはそれで十分ですね。
(ここから8月3日追記)
と、書いていましたが、なんと松野氏が病気療養のために現場から引くことに、、
(「プロデューサー」から「原案/プロット/監修」を担当されることに)
うーん、無理しすぎたのでしょうか。。
以下、松野氏のコメント
「ファイナルファンタジーXIIの発売を心待ちにしているファンのみなさん、開発に時間がかかってしまい本当に申し訳ざいません。残念ながら都合により現場から一歩退くことになりましたが、皆川・伊藤・秋山らの優秀なスタッフの手によって着実に完成へ向かって開発が進んでいます。今しばらくお待ちください。 」
FF12のクオリティに関しては、松野氏のコメント通り、スタッフの方々がほんっとに優秀で、また「ロマサガ」の
河津氏がエグゼクティブプロデューサーをつとめるようなので全く心配しておりません。
期待して指折り数えて発売日の2006年3月16日を待っております。
むしろ心配なのは松野氏の健康の方だったり、、、長期療養が必要ってどんな状態なんでしょう?
なんにせよ、一日も早いご回復を祈ります。。
お知らせ!
ついに松野さんが「原案/プロット/監修」を担当された「ファイナルファンタジー12」の発売日が
2006年3月16日に決定し、予約が開始されています。
ただいまAmazonで予約すると【iTunes Custom Card】がもれなくついてくるそうです。
【iTunes Custom Card】の内容は、、、
—-Amazonより抜粋——
【iTunes Custom Cardについて】
予約特典としてFINAL FANTASY XII ORIGINALFFXII/iTunes Custom Cardをご用意。
FFXII/iTunes Custom Cardは、メインコンポーザー崎元仁セレクションによるFFXIIの楽曲を、
お手持ちのパソコンからiTunes Music Storeを利用し5曲無料でダウンロード頂けるカードです。
カードとしてもコレクション要素の高い本特典をお見逃しなく。
※予約特典は数に限りがあります。
※予約特典は商品発送時に添付されます。
※ダウンロードにかかる通信料はお客様のご負担となります。
———————-
これは松野ファンなら見逃せませんね。
崎元さんセレクトの曲がダウンロードできるのもおいしいですし、
カードはおそらく、推測ですが吉田明彦さんデザインのキャラクターかと思われます。(あくまで推測ですが)
数に限りがあるようなので、どうしても欲しい方はお早めに予約をオススメします。
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